【スイス・イタリア旅行】マイエンフェルト〜サンモリッツ編

 
 チューリッヒに名残惜しさを感じつつ(チューリッヒは観光の時間が取れなかった)、次の目的地、サンモリッツに向かった。
この日はまずまずの天気だったので、途中下車してマイエンフェルトに寄ることにした。

チューリッヒ駅で買ったチョコレートミルク(?)のような飲み物
wifiが繋がらない
 ベルンでは繋がったwifiが、この日からほぼ繋がらなくなっていた。山岳地帯だからかと思っていたけれど結局この後のイタリアでも繋がらず、どうやらwifi自体に問題があったようだった。ネットが使える前提で地図なども持ってきていなかったし、鉄道のパスもアプリで表示するものだったのでまあまあ不便だった。前向きに考えると、観光に集中できてよかった。
 
・マイエンフェルト
 マイエンフェルトはハイジの原作の舞台となった東部の小さな街で、宮崎駿監督も訪れたらしい。子どもの頃、食卓の椅子を机に、踏み台を椅子にして小さな食卓を作ったり、羽毛布団や毛布を何枚も重ねてほし草ベッドに見立てたり、時々あの頃の感性を羨ましく思う。
 マイエンフェルトの"ハイジ村"にはハイジの暮らしを再現した家や山小屋などもあるけれど、それらの施設よりもハイジが暮らしたようなスイスの長閑な風景を見たいと思った。ただ目的もなしに歩くにはあまりにも土地のことを知らないので、一旦はハイジ村を目的地に歩くことにした。この時Google mapでハイジ村は臨時休業と出ていたけど、休みだったら休みだったでいいやと思って(すぐにwifiが切れたのでそれ以上調べる術もなく。)
 スーツケースを押しながらのハイキング(しかもずっと上り)はなかなか過酷で、気温はギリギリマイナスにならないくらいだったと思うけどじんわりと汗が滲んだ。
 小さな街は眠っているかのように静かで、透明な冷気が充満していた。時々車やランニングしている人が通って、にっこりと微笑みかけてくれた。

 50分くらい歩いた頃で、ようやくハイジ村に到着。村の入り口でハイジ達が出迎えてくれた。案の定、ハイジ村は休みだった(冬季は特定の曜日しか営業していないらしい)けど、敷地には入ることができた。
なぜかアジア人のような顔貌のハイジ(右)

 

 朝から何も食べてなかったので、ハイジ村のベンチでじゃがりことピュアラルグミを貪り食べた。そのまま少しのんびりしたかったけど、止まると急に寒さが襲ってきてものの10分くらいでハイジ村滞在終了。下り坂で暴走するスーツケースを押さえつつ下山した。

 
 再び列車に乗ってサンモリッツへ。列車に乗っている間に徐々に日は落ち、外気温もどんどん下がっているのが見てとれた。雪景色が続き、夫は今ここに一人置いていかれたら死ぬだろうなと自然の畏怖に怯えていた。私はそのまっすぐな感性がすてきだなと思った。

 サンモリッツに着く頃には真っ暗になっていた。事前に連絡しておけばホテルからサンモリッツの駅まで迎えに来てもらえたみたいだけど、サンモリッツに到着する時間が決まっていなかったので送迎を依頼していなかった。ホテルまでのバス乗り場は調べてあったけどいまいち乗り方がわからなくて、wifiがないので調べることもできなかった。夫は私が送迎を依頼しているものだと思ってたらしく、私は時間決まってないのにどうやって依頼するのかと言い返して若干揉めた。

 モタモタしてる間に終バスが行ってしまったようで、仕方ないのでタクシーに乗った。2kmくらいだけど1万円掛かった(ぼったくりではなくスイスの物価では適正価格。)
 ホテルはアニメティもケトルもほぼ何もなかったけど、ログハウスっぽい感じで可愛かった。
 
 夜ご飯は、ホテルから10分くらいのところにあるレストランで再びチーズフォンデュにトライ。あと"swiss fry"のようなメニューがあって、何か分からず頼んでみた。
 このお店のチーズフォンデュはアルコールが強くなく日本人にも食べやすい味でパクパクと食べてしまった。swiss fryはただのハッシュドポテトで、スイスってやっぱチーズとじゃがいもなんだな。味は普通に美味しかった。

お皿が可愛い
 翌朝、サンモリッツ散歩。深夜に壮絶な喧嘩をしたので2人とも寝不足だったけど-10℃の銀世界に圧倒された。湖は凍りつき、川面には霧が立ち込めていた。針葉樹はまるで細工のように繊細に雪を纏い、その向こうでアルプスの山々が白金のごとく光り輝いていた。

   寒さに弱い夫を私のマフラーでぐるぐる巻きにして、駅近辺の商業街まで歩いた。オードリーヘップバーンが通ったというカフェでコーヒーを一杯飲んでホテルに戻った。
 
 この日はこの後ミラノに移動する予定だったので、スイスにいる間にどうしてもラクレットを食べたいねとなってラクレットがあるレストランを探して食事した。

 ラクレットのチーズは癖がなくて美味しかったけど、もたもたしてる間にすぐにチーズが固まってしまった。お店で食べるよりも家で食べる方が向いている料理かもしれない(実際チーズフォンデュを出すお店はたくさんあるけれど、ラクレットを出すお店は多くはなかった)。パプリカパウダーを掛けて食べるのが気に入った。
 
 食事後どうにかバスに乗ることに成功し、サンモリッツの駅へ。列車でイタリアに向かいます。