オーボンヴュータン

 

前の晩布団についた時から、明日は尾山台のオーボンヴュータンに行くぞ!と決めていた。

 

朝起きて、podcastで味な副音声を聞きながらシャワーをして、甘味への欲求を存分に高めてから尾山台に向かった。

 

途中キリキリとした胃痛に見舞われて、それもここ数年で一番じゃないかと思うくらいのけっこうな胃痛だったし、ちょうど今週職場で胃腸炎が出たところだったから焦った。

今病院に行って昨日食べたものは?なんて聞かれたら、インスタントラーメンとパスタと永谷園のお茶漬けの汁って答えなきゃいけないのか…とか考えていたら徐々に痛みが引いた。よかった。

 

初めて尾山台で降りたけど、降りてすぐ好きな街だ!と思った。昔ながらのお店と新しいお洒落なお店がないまぜになった商店街があって、若い活気のある街だった。どこの駅住みたい?って聞いて尾山台と答える人がいたら気が合いそうだなと思った。

 

昼過ぎにお店に着いた。今まで行った洋菓子店の中で一番広い。

 

 

オーダーの仕方が少し変わっていた。

ショーケースの向こうにいるお店の人にほしいものを伝えて伝票をもらったら、その伝票を持ってお店中央のレジでお会計をする。その間に商品が用意されていて、ショーケース横で受け渡しをする。カフェを利用する場合は、先に店頭の端末で席の予約をして、商品を取り置きしてもらう

 

待ちのお客さんが1組だったので、店内のカフェで食べることにした。5席くらいしかないので40分くらい待ったけど、店員さんが時々声掛けしてくれて有り難かった。

 

席に着いて、まずは温めたトマト・ファルシがサーブされた。

 

温めるときにトマトの形が崩れてしまうかもしれないかもしれないけど良いですか?と聞かれたので、良いですよと答えた。



これはトマトの中にバターライスとお肉を詰めたものなので間違いなくおいしい。米感はあまりなかった。ハーブの香りがよく、もう5個くらいは軽く食べられそうな感じだった。

 

加熱時に溢れ出た汁にトマトと肉の旨味が凝縮されていて、残すのはもったいない!とフォークでちびちび掬っていたら、スプーンを出してくれた。ちょっと恥ずかしかったけど、隅々まで店員さんの目が行き届いたすばらしいお店だと思った。

 

スイーツはラ・モームを選んだ。

 

ちっちゃな正方形がフリフリのメレンゲで縁取られた佇まいに胸がくすぐられる

 

実はわたしは甘いものより塩辛いものの方が好きなのだけど、それでも時折こうして甘いもののために足を伸ばすのは、そのビジュアルに魅了されているところが大きいと思う。

 

味はというと、オリーブオイルをたっぷり染み込ませたビスキュイの間に、アプリコットのクリームとジュレ、果肉が挟まれている。ケーキにオリーブオイルって???と思ったけど、甘さ控えめのクリームと合わさると初体験のおいしさだった。オリーブの香りが立っているけど意外とものすごく挑戦的という訳ではない、たぶんほとんどの人がおいしいと感じる味。自分の中の新しい味覚が拓けたような感覚があってうれしかった。

 

本当はもっといろいろ食べてみたかったんだけど、胃痛の件もあったのでこの日はこれでおしまい。

プティ・フール・セックを片手に