【スイス・イタリア旅行】レーティッシュ鉄道編

 

サンモリッツ〜ティラノ
サンモリッツを出て、レーティッシュ鉄道でイタリア・ティラノを経由しミラノに向かう。
サンモリッツ⇔ティラノ間は有名なベルニナ急行が走っている区間だけど、急行は予約できる日が限られていたのと普通列車でも十分に窓が大きいと聞いたので普通列車に。結果的にも、普通列車で満足だった。食事や車内販売を利用したいなら別だけど(それもいいよね)、指定席でない分自由に席を移動できたし景色も十分すぎるくらいに楽しめた。あと時間に縛られないので今回の旅の気分に合っていた。ただ普通列車なら窓が開けられると聞いていたけれど、私の乗っていた車両の仕様なのか?冬季だからか?開けられなかった(と思う。)
ティラノまではとにかく絶景続きで感動するのに忙しかった。高低差やカーブも激しく、移動というよりもアトラクション。
私以上に寝不足の夫はほぼ寝ていた。「綺麗な景色見えたら起こす?」と聞くと「めっっっっちゃ綺麗な景色だったら起こして」と言うので、なかなか迷ったけど氷河と山間と急カーブのところで起こした。

できるだけ端の車両に乗ると列車がカーブする様がよく見える

エメラルドグリーンの湖
動画を回していたからほとんど写真がないのだけど、どっちみち私の腕ではあの景色の素晴らしさは伝えられないなと思う。
 
ティラノまでの道中、列車の隣の席の女性(おそらくスイス人)がずっとピーナッツを食べていた。そういえばスイスでは、殻がついたピーナッツとキャンディやチョコレートが一緒くたに袋に入ったものが売られているのをよく見かけた。国民食のようなものなのだろうか。

ピーナッツとお菓子のアソートパック@スーパー
・ティラノ〜ミラノ
2時間くらいでティラノに到着した。
ティラノ→ミラノの列車まで時間があったのでティラノを散策。ティラノは何処か寂れていてちょうど日本の田舎町にいるような気分になった。列車に乗ると、スイスの美しい景色とは打って変わって急に雑多な景色になった。さらに2時間半くらい列車に揺られ、ミラノに到着。
イタリア編へ続く。
 
 

 

【スイス・イタリア旅行】マイエンフェルト〜サンモリッツ編

 
 チューリッヒに名残惜しさを感じつつ(チューリッヒは観光の時間が取れなかった)、次の目的地、サンモリッツに向かった。
この日はまずまずの天気だったので、途中下車してマイエンフェルトに寄ることにした。

チューリッヒ駅で買ったチョコレートミルク(?)のような飲み物
wifiが繋がらない
 ベルンでは繋がったwifiが、この日からほぼ繋がらなくなっていた。山岳地帯だからかと思っていたけれど結局この後のイタリアでも繋がらず、どうやらwifi自体に問題があったようだった。ネットが使える前提で地図なども持ってきていなかったし、鉄道のパスもアプリで表示するものだったのでまあまあ不便だった。前向きに考えると、観光に集中できてよかった。
 
・マイエンフェルト
 マイエンフェルトはハイジの原作の舞台となった東部の小さな街で、宮崎駿監督も訪れたらしい。子どもの頃、食卓の椅子を机に、踏み台を椅子にして小さな食卓を作ったり、羽毛布団や毛布を何枚も重ねてほし草ベッドに見立てたり、時々あの頃の感性を羨ましく思う。
 マイエンフェルトの"ハイジ村"にはハイジの暮らしを再現した家や山小屋などもあるけれど、それらの施設よりもハイジが暮らしたようなスイスの長閑な風景を見たいと思った。ただ目的もなしに歩くにはあまりにも土地のことを知らないので、一旦はハイジ村を目的地に歩くことにした。この時Google mapでハイジ村は臨時休業と出ていたけど、休みだったら休みだったでいいやと思って(すぐにwifiが切れたのでそれ以上調べる術もなく。)
 スーツケースを押しながらのハイキング(しかもずっと上り)はなかなか過酷で、気温はギリギリマイナスにならないくらいだったと思うけどじんわりと汗が滲んだ。
 小さな街は眠っているかのように静かで、透明な冷気が充満していた。時々車やランニングしている人が通って、にっこりと微笑みかけてくれた。

 50分くらい歩いた頃で、ようやくハイジ村に到着。村の入り口でハイジ達が出迎えてくれた。案の定、ハイジ村は休みだった(冬季は特定の曜日しか営業していないらしい)けど、敷地には入ることができた。
なぜかアジア人のような顔貌のハイジ(右)

 

 朝から何も食べてなかったので、ハイジ村のベンチでじゃがりことピュアラルグミを貪り食べた。そのまま少しのんびりしたかったけど、止まると急に寒さが襲ってきてものの10分くらいでハイジ村滞在終了。下り坂で暴走するスーツケースを押さえつつ下山した。

 
 再び列車に乗ってサンモリッツへ。列車に乗っている間に徐々に日は落ち、外気温もどんどん下がっているのが見てとれた。雪景色が続き、夫は今ここに一人置いていかれたら死ぬだろうなと自然の畏怖に怯えていた。私はそのまっすぐな感性がすてきだなと思った。

 サンモリッツに着く頃には真っ暗になっていた。事前に連絡しておけばホテルからサンモリッツの駅まで迎えに来てもらえたみたいだけど、サンモリッツに到着する時間が決まっていなかったので送迎を依頼していなかった。ホテルまでのバス乗り場は調べてあったけどいまいち乗り方がわからなくて、wifiがないので調べることもできなかった。夫は私が送迎を依頼しているものだと思ってたらしく、私は時間決まってないのにどうやって依頼するのかと言い返して若干揉めた。

 モタモタしてる間に終バスが行ってしまったようで、仕方ないのでタクシーに乗った。2kmくらいだけど1万円掛かった(ぼったくりではなくスイスの物価では適正価格。)
 ホテルはアニメティもケトルもほぼ何もなかったけど、ログハウスっぽい感じで可愛かった。
 
 夜ご飯は、ホテルから10分くらいのところにあるレストランで再びチーズフォンデュにトライ。あと"swiss fry"のようなメニューがあって、何か分からず頼んでみた。
 このお店のチーズフォンデュはアルコールが強くなく日本人にも食べやすい味でパクパクと食べてしまった。swiss fryはただのハッシュドポテトで、スイスってやっぱチーズとじゃがいもなんだな。味は普通に美味しかった。

お皿が可愛い
 翌朝、サンモリッツ散歩。深夜に壮絶な喧嘩をしたので2人とも寝不足だったけど-10℃の銀世界に圧倒された。湖は凍りつき、川面には霧が立ち込めていた。針葉樹はまるで細工のように繊細に雪を纏い、その向こうでアルプスの山々が白金のごとく光り輝いていた。

   寒さに弱い夫を私のマフラーでぐるぐる巻きにして、駅近辺の商業街まで歩いた。オードリーヘップバーンが通ったというカフェでコーヒーを一杯飲んでホテルに戻った。
 
 この日はこの後ミラノに移動する予定だったので、スイスにいる間にどうしてもラクレットを食べたいねとなってラクレットがあるレストランを探して食事した。

 ラクレットのチーズは癖がなくて美味しかったけど、もたもたしてる間にすぐにチーズが固まってしまった。お店で食べるよりも家で食べる方が向いている料理かもしれない(実際チーズフォンデュを出すお店はたくさんあるけれど、ラクレットを出すお店は多くはなかった)。パプリカパウダーを掛けて食べるのが気に入った。
 
 食事後どうにかバスに乗ることに成功し、サンモリッツの駅へ。列車でイタリアに向かいます。

【スイス・イタリア旅行】ベルン編

 

今まで行った国の中で一番感銘を受けた国はモンゴルで、たぶん自分は煌びやかな建築物や街の喧騒よりも壮大な自然に心を動かされるタイプなんだろうな〜という漠然とした考えがあった。もう一度モンゴルにも行きたいけれど、同じくらいヨーロッパにも行きたいと思っていたので、もしいつかヨーロッパに行くのならスイスがいいなと思っていた。

なので、今回ヨーロッパ旅行に行くという話が上がった時、もちろんスイスを第一候補に上げた。最初は夫も賛成していたけれど、途中スイスの物価高に怯んで
却下されそうになり、Youtubeでスイスの動画を見せまくるなどして最後は粘り勝ちした。
ただスイスに何泊もするのはあまりにもお金が掛かるのと、せっかくだから他の国にも行きたいねということで、スイス2泊、イタリア6泊の旅程に決まった。

・スイス ベルン
朝9時頃チューリッヒ空港に着いた。すぐ鉄道でチューリッヒ市内に移動して、市内のホテルにチェックインした。

チューリッヒ中央駅から出てすぐに見えた景色

ホテルはフロントのお姉さんがとても親切で可愛かった。我々のチェックイン作業をしながら新人と思われる男の子に研修をしていたのだけれど、優しく懇切丁寧に説明するお姉さんとまったくやる気がない新人のコントラストが不覚にも面白くて、印象に残った。


荷物を置いて、ベルンに向かった。
チューリッヒ駅構内でクリスマスマーケットをやっていて、早速ヨーロッパのクリスマスムードを堪能。
せっかくスイスに来たのに、夫がまったくスイス感のない肉串をチョイス。ちなみにこの肉串1本で15フラン(=約2,400円)。
チューリッヒから電車で揺られること約1時間、ベルンに到着した。
ベルンの駅から歩いてほんの数分で旧市街に入った。
手入れがよく行き届いた重厚な石造りのアーケードには、正義の女神やバグパイプ吹きなど意匠の凝った噴水が点在していて、歩いているだけで愉しい。

 
途中またもクリスマスマーケットがやっていたので、ホットワインを飲んだ。
ホットワインを初めて飲んだのはたしか冬のディズニーシーで、その後鶴岡八幡宮に初詣に行った時にも小町通りで飲んだ記憶がある。近藤史恵の「ヴァン・ショーをあなたに」で、クリスマスマーケットでホットワインを飲む話を読んで以来、本場のクリスマスマーケットでホットワインを飲む、というのがささやかな夢だった。
マグカップ一杯にどぼどぼと注がれたワインを寒空の下で飲む贅沢よ。長時間のフライトで疲れた身体に、喉が焼けるくらい強く甘いワインが染み渡った。夫は甘いワインというのとシナモンが得意ではなかったようで苦い顔をしていた。ので、夫の分まで飲み干した。少しアルコールが回っていい気分。

アーケードを抜けてニーデック橋に差し掛かると、一気に視界が開け、薄く雪化粧をした三角屋根の家々とアーレ川が現れた。

そのまま坂を登りバラ公園へ。バラ公園からはベルンの街が一望できる。
景色には、曇りが似合う景色と、晴れが似合う景色があると思う。曇りが好きという感性に初めて出会ったのはたぶんジブリの「おもひでぽろぽろ」で、その感性を理解するようになったのは大人になってからだったと思う。
ベルンの重厚な街並みは、くぐもった曇天がよく似合うと思った。

切妻屋根の赤茶色と、時計塔の屋根のコマドリの卵色、アーレ川のエメラルドグリーンの3色だけで構成された世界
それからお土産を見たりスーパーを物色した。
お土産屋さんでは、リンツのチョコレートとハンカチとクリスマスのオーナメントを買った。
リンツのチョコレートは、水色の地にエーデルワイスが書かれたスイスオリジナルの缶に入っていて、これは旅の途中で自分で食べて缶に思い出の品を詰めてもいいし、姉にプレゼントしても喜びそうだなと思って買った。旅先で出会ったものは買わないと大抵後悔する(10年前のモンゴルでフェルトのチェスを買わなかったことをいまだにねちねち思い出しては後悔している)ので迷ったら買うようにしてるんだけど、保険として2パターンの用途を考えがち。

ハンカチは黒地に白で山羊やら牛やらの模様が書かれたもので、単純に今回の旅行にハンカチを一枚も持ってきていなかったので気に入った柄のものを買った。

オーナメントは、ツリーやエンジェルに形どられた青色の陶器に山小屋やバグパイプ吹きが描かれていて、いかにもお土産用につくりました!という感じなのだけど、私はこういう細々したものが好きなので買いました。今回の旅の中で少しずつオーナメントを買い集めて、日本に帰ったらツリーに飾るんだ。
 
スーパーには多種多様のチーズが売られていて、こんなに種類が多くて選べるんだろうかと思った。
この5倍くらいのチーズが売っていた
夜また別のクリスマスマーケットを散策した後で、チーズフォンデュを食べた。

スイスのチーズフォンデュは白ワインが入っているのは知っていたけれど、このお店のチーズフォンデュはチーズというよりむしろ酒だった。
お店の人はとても親切。

帰り、チューリッヒまでの電車のホームがわからなくなったけど、声を掛けたスイス人の男性がその場で自分のスマホで調べてくれて有り難かった。

これにてベルン編終了。

弾丸京都旅行①

 

何年も前から神戸に行きたい整体があって、何年も前から作っている京都の行きたい場所リストが膨大になっていて、訳あって時間ができたので一泊二日の京都旅行を決行することにした。


〜1日目〜

昼過ぎに神戸に着いて、そこから3時間整体を受けた。
何年も前にたまたまインスタで施術のbefore→afterを見かけてから狙っていただけあってやはり素晴らしい技術の整体だった。


『わ〜すごい凝ってますね〜』みたいなオーバーな表現はあまり信用できないので(ひねくれ)、『この骨格の割には姿勢維持できてますよ』とか『あなたの身体の問題はここです』とか的確なコメントを貰えたのがよかった。
あと整体師さんが度々真顔で小ボケ挟んでくるのが新鮮だった。関西。


整体が終わって京都に移動した頃にはもうすっかり陽が落ちていて観光ができるような時間でもなかったので、夜ご飯を食べてホテルにチェックインすることにした。


夜ご飯は木屋町のsuba。
ムール貝酒蒸しにしてクレソン』か『京春菊天』か迷って、ムール貝の方にした。
ムール貝はイタリアンで食べることが多くて"洋"のイメージだったけど、意外にもムール貝の滋味深い旨みと薄口のおつゆの相性がよくって汁まで啜る美味しさだった。

Google mapの口コミでテーブルが傾いていると文句つけてる人が多かったけどここはそういうお店です。

ホテルに向かう途中の祇園四条の駅前でサックスとギターとベースとドラムの4Pバンドが路上していて、あまりにかっこよかったので30分くらい聴き入ってしまった。


バンド名とか何も掲示されていなくて、後から調べればわかるだろうと自分のネトスト力を過信してその場を離れてしまったのだけど、その後どうやっても見つけられなくて後悔してる。分かったら絶対音源買うんだけどな。


スタバでウーロンティーラテ買ってホテルに帰った。

 


Subaで買ったゆかりのおにぎり片手に、Hanakoと&Premiumの京都特集で翌日の計画を立てて1日目は終了〜

 

オーボンヴュータン

 

前の晩布団についた時から、明日は尾山台のオーボンヴュータンに行くぞ!と決めていた。

 

朝起きて、podcastで味な副音声を聞きながらシャワーをして、甘味への欲求を存分に高めてから尾山台に向かった。

 

途中キリキリとした胃痛に見舞われて、それもここ数年で一番じゃないかと思うくらいのけっこうな胃痛だったし、ちょうど今週職場で胃腸炎が出たところだったから焦った。

今病院に行って昨日食べたものは?なんて聞かれたら、インスタントラーメンとパスタと永谷園のお茶漬けの汁って答えなきゃいけないのか…とか考えていたら徐々に痛みが引いた。よかった。

 

初めて尾山台で降りたけど、降りてすぐ好きな街だ!と思った。昔ながらのお店と新しいお洒落なお店がないまぜになった商店街があって、若い活気のある街だった。どこの駅住みたい?って聞いて尾山台と答える人がいたら気が合いそうだなと思った。

 

昼過ぎにお店に着いた。今まで行った洋菓子店の中で一番広い。

 

 

オーダーの仕方が少し変わっていた。

ショーケースの向こうにいるお店の人にほしいものを伝えて伝票をもらったら、その伝票を持ってお店中央のレジでお会計をする。その間に商品が用意されていて、ショーケース横で受け渡しをする。カフェを利用する場合は、先に店頭の端末で席の予約をして、商品を取り置きしてもらう

 

待ちのお客さんが1組だったので、店内のカフェで食べることにした。5席くらいしかないので40分くらい待ったけど、店員さんが時々声掛けしてくれて有り難かった。

 

席に着いて、まずは温めたトマト・ファルシがサーブされた。

 

温めるときにトマトの形が崩れてしまうかもしれないかもしれないけど良いですか?と聞かれたので、良いですよと答えた。



これはトマトの中にバターライスとお肉を詰めたものなので間違いなくおいしい。米感はあまりなかった。ハーブの香りがよく、もう5個くらいは軽く食べられそうな感じだった。

 

加熱時に溢れ出た汁にトマトと肉の旨味が凝縮されていて、残すのはもったいない!とフォークでちびちび掬っていたら、スプーンを出してくれた。ちょっと恥ずかしかったけど、隅々まで店員さんの目が行き届いたすばらしいお店だと思った。

 

スイーツはラ・モームを選んだ。

 

ちっちゃな正方形がフリフリのメレンゲで縁取られた佇まいに胸がくすぐられる

 

実はわたしは甘いものより塩辛いものの方が好きなのだけど、それでも時折こうして甘いもののために足を伸ばすのは、そのビジュアルに魅了されているところが大きいと思う。

 

味はというと、オリーブオイルをたっぷり染み込ませたビスキュイの間に、アプリコットのクリームとジュレ、果肉が挟まれている。ケーキにオリーブオイルって???と思ったけど、甘さ控えめのクリームと合わさると初体験のおいしさだった。オリーブの香りが立っているけど意外とものすごく挑戦的という訳ではない、たぶんほとんどの人がおいしいと感じる味。自分の中の新しい味覚が拓けたような感覚があってうれしかった。

 

本当はもっといろいろ食べてみたかったんだけど、胃痛の件もあったのでこの日はこれでおしまい。

プティ・フール・セックを片手に